Land of the Midnight Sun

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本作は、アル・ディ・メオラによるソロ名義作品の一作目。
ソロ作品ということもあり、直前まで所属していたReturn To Foreverのようなフュージョンの流れを汲みつつも、アル・ディ・メオラのギターがかなり目立っています。
かと言って、アル・ディ・メオラの独壇場という感じではなく、各々のパートが非常に魅力的な音を奏でております。
それもそのはずで、ゲストメンバーにはスティーブ・ガッド、チック・コリア、アンソニー・ジャクソン、ジャコ・パストリアスなどなど、当時のジャズ、フュージョン界のスタープレイヤーがずらり。ほぼオールスターバンド状態

1曲目の「The Wizard」からアル・ディ・メオラはエンジン全開。追い立てるような、強烈なギターとミンゴ・ルイスの小気味良いパーカッションが印象的な良曲。
スティーブ・ガッド、アンソニー・ジャクソンによる百戦錬磨のリズム体も、激しいディ・メオラのプレーをうまくノセています。

②「Land of the Midnight Sun」も、ディ・メオラの素晴らしいプレーが堪能できる名曲。①のように激しくという感じではなく、緩急をつけた、官能的なプレーを披露しています。ドラムは同じく元RTFのレニー・ホワイトにチェンジしています。

そして、このアルバムの中での最大の見せ場が⑤「Suite-Golden Dawn」。3部構成の曲です。
この曲ではジャズベースを代表する存在であるウェザーリポートのジャコ・パストリアス、ハービー・ハンコックやウェイン・ショーター、その他多くのジャズプレーヤーとの共演のあるドラマー、アルフォンゾ・ムーゼンが参加。

初っ端から超ハードなアル・ディ・メオラのギター。1分くらいたったところで曲は一転、落ち着いたムードに。これが一分近く続き、曲は早くも3部に突入。
特筆すべきはやはりジャコ・パストリアスのベース。なんという存在感。このゴツさと軽快さは何なんだ。音一つ一つが非常に重厚でありながら、全体としては非常に軽い。
例えるなら、10トンの鉄球がスーパーボールのように跳ねまわっている感じ。ディ・メオラすら飲まれそうになってます。

しかしヤラレっぱなしでないのはさすがにディ・メオラ。後半の、高音程を駆使したうねるような激しいギタープレーは圧巻。ミンゴ・ルイスによる鍵盤も良いです。

これは間違いなく、フュージョン史上稀に見る名演でしょう。参った。




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