Wired (ワイアード)

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ベックがジャズに傾倒していた頃の作品。前作「ブロウ・バイ・ブロウ」と同様、完全ギターインストのアルバムです。

キーボードには マハヴィシュヌ・オーケストラ のヤン・ハマーを迎えています。ロック側からジャズへ大胆なアプローチを行ったマハヴィシュヌのメンバーに教えを乞う、というところでしょうか。ヤン・ハマーはその後も アル・ディ・メオラ エレガント・ジプシー に参加したりと、 "ジャズロックの名盤にヤン・ハマー在り" と言えるような活躍をしています。引っ張りだこですね。

この作品はジャズロックといっても、マハヴィシュヌのような超攻撃的なインプロヴィゼーションの応酬というものではなく、ベックの淡々として時にファンキーなギターが中心となり、全体的に落ち着いています。

僕はどちらかと言えばアル・ディ・メオラや Brand X のような、緊張感たっぷりのジャズロックが好きですが、たまにこういうのも良いですね。②「Come Dancing」の、ファンキーなリズムの上で繰り広げられるベックとハマーのソロは中々クセになります。ギターのゴリゴリした独特の音色が印象的。

一番の聴きどころは(1)「Led Boots」。ナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムがすごいんです。
イントロからなんという違和感溢れるドラム。このハイハットの音と超変則的な足の組み合わせパターンはなんですかね?機械的という表現がぴったり。
曲に入ってからのリズム・パターンもまた変態的。これはちょっと真似できそうにありません。

Led Bootsのためだけにでも聴く価値はあるでしょう。ドラム好きな方はぜひとも聴いてみてください。
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