In The Land Of Grey And Pink(グレイとピンクの地)

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本作はCaravanの3作目にして、カンタベリーミュージックを代表する名盤
メンバーはパイ・ヘイスティングス、リチャード・コフランの大黒柱2人のほか、カンタベリーを代表するプレイヤーであるリチャード・シンクレア、デイブ・シンクレア。ジミー・ヘイスティングスも部分部分で参加してます。

淡いピンク色のほのぼのとしたジャケットが印象的ですが、内容もそんな感じ。
①「Golf Girl」や②「Winter Wine」はリチャード・シンクレアの美声が素晴らしい。
特に①「Golf Girl」はイントロからなんだか気の抜けた感じで、そこに落ち着いたリチャードのボーカルが絡むとすごく癒しです。
デイヴのオルガン、ジミーのピッコロも非常に美しく、それでいて全く難解さを感じさせないのが曲のとっつきやすさに貢献していますね。

そしてこのアルバム最大の山場は⑤「Nine Feet Underground」。22分を超える長曲です。
個人的には「Live’Canterbury comes to London」に収録のライブバージョンのほうが好きなんですが、このスタジオ盤も勿論素晴らしいです。
序盤から全編に渡り、小気味よいリチャード・コフランのドラムとリチャード・シンクレアのベースに乗せて、デイヴ・シンクレアの歪んだオルガンとジミー・ヘイスティングスのサックスが抑揚を抑えたジャジーなフレーズをかましてきます。
決して他のジャズ・ロックバンドのように鬼気迫る演奏といった感じではないのですが、ゆったりして落ち着いた中に何とも言えない安心感のある美しさがあります
パイ・ヘイスティングスとリチャード・シンクレア両名のタイプの違う美声も素晴らしい。

プログレッシブ・ロックの中でも随一の名曲として上げても良いんではないでしょうか。
好き嫌いを問わず、とりあえず聞かなければならないレベルの作品です。
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