Flecha

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ブラジルを代表するバンド、サグラドの2ndアルバム。リリースは1987年。

聞いてすぐに感じたのが、スティーリー・ダンの名作「Aja」やTOTOの名作「TOTO Ⅳ」のような、70年代後半から80年代にアメリカで流行ったAORの流れを直に受けてるなぁということでした。
キー高めの温和で美しいボーカル、ゆったりとしたビート、リスナーを包み込んでしまいそうな優しいメロディなど、AORを彷彿とさせる要素が多分に感じられます。

じゃあプログレ好きには用はないか?というと案外そんなこともない。AOR的な楽曲は前半部で、後半の⑥「Toccata」からは美しく壮大なシンフォ作品を聴かせてくれます。
ただし、AORな要素は残っているので、イタリア産シンフォのようなくどくて禍々しいものではなく、もっと爽やかで聴きやすい作品に仕上がっています。
「Toccata」はイントロのチャーチオルガンが非常に荘厳で印象的。
また、⑦「Cosomos x Caos」での雄大なバイオリン、後半での男性のメインボーカルとバックの女性のコーラスによるパートは圧倒的な迫力。とても宇宙的で美しいです。

イタリアをはじめとした欧州では出てこなさそうな音。良い作品だと思います。


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