Spiral(スパイラル)

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本作は上原ひろみの3作目。2005年リリース。

前作Brainで所々に顔を出していたシリアスでセンチメンタルな音色が本作では更に研ぎ澄まされています。
歌うようにピアノを弾く、なんていう生優しいものではありません。ピアノで何かを激しく訴えかけている様な感じ。
特に1曲目から6曲目までは、とにかくメロディが美しくかつドラマティックで、聴いてるこっちの息が詰まりそう

聴きどころを一つ選ぶとしたら(6)「Old Castle, by the river in the middle of a forest」でしょうか。
古い絵画のような情景を想像させるタイトルのこの曲、中身も非常に美しい。イントロの不安気なピアノのメロディとベースラインが、深い森の中に迷い込んだ感じを想像させないでしょうか?
演奏自体はそこまで派手ではなく、複数の鍵盤を同時に抑えるようなプレーもそこまで多くない。が、音一つ一つが非常に丁寧で沁みます。これは上原ひろみの世界に引き込まれますよほんと。
ブルーノートでのライブでこれのイントロが流れたときは言葉には出来ないくらい感動しました。

(8)「Return of Kung-Fu World Champion」は、エレキギターの入ったBeyond Starndardのバージョンを聴いてください。私はそっちを先に聴いたので本作収録のスタジオ版が全く聴けなくなりました。

上原ひろみの中でも最も素晴らしいと感じられる本作。是非とも聴いてみてください。
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