Focus 3

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本作は1972年に発表された、オランダを代表するプログレッシブ・ロックバンドであるfocusの3作目。
前作から比べれば「Hocus Pocus」のようなエキセントリックさはなくなっているものの、クラシカルさと純粋なロックとしてのハードさはレベルを上げており、それにジャズっぽさも加わり、更にはこれらがごった煮という感じではなく自然に融合されていて、非常に聴き応えのある作品になっています。
次作「Hamburger Concert」と並ぶ、フォーカスの代表作でしょう。

聴きどころはまず(3)「Sylvia」。タイスのエッジの聴いたオルガンとアッカーマンの非常に甘〜いクラシカルなギターが素晴らしいです。
(6)「Answers? Questions! Questions? Answers!」のようなハードロックナンバーも良い。Sylviaのようなクラシカルなギターを聴いたあとにこの曲でのハードなギターを聴くとヤン・アッカーマンってギタリストは本当なんでもできるなぁと思ってしまいます。
中間部で入るタイスのフルートも安定の美しさ。

そして極めつけ、このアルバムのハイライトであり、26分という長尺の曲(8)「Anonymus Two」は文句のない名曲。この曲ではメンバー全員が素晴らしいインタープレイを聴かせてくれます
序盤はハードなフルートとオルガンが展開、中盤はそれを沈めるようにジャジーなベース・ソロ。ここのベースのうねる感じはいいですねぇ。
このベース・ソロの流れを引き継ぐ形で切り込んでくるのはヤン・アッカーマン。時間をかけて丁寧に盛り上げていきます。ソロ後半のうねりながら叫ぶようなギターは絶品。
最後はハードなドラム・ソロ。この曲でのジャジーなベースとハードなドラムのソロを聴くと、フォーカスがハードロックの中にもジャズロックっぽさを感じさせるのはこのリズム体があってこそなんだろうなぁと感じます。

総じて、フォーカスの魅力が余すとこなく発揮されたプログレ好きなら必聴の作品です。是非。
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