Brain(ブレイン)

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2004年にリリースされた上原ひろみの2作目。前作「Another Mind」に磨きがかったシリアスな演奏を披露しています。

①「Kung-Fu World Champion」はシンセサイザーをフルに使ったユーモア溢れる曲。
このアルバムは終始こんな雰囲気なのか?とのっけから呆気にとられるのも束の間、②「IF…」からはガラリと変わります。
IF…、③「Wind Song」ともに穏やかな曲。両方ともに、高音域を駆使しさながら空高く飛んでいくような雰囲気。

そしてここからが山場。
まずはタイトル曲の④「Brain」。不安を駆り立てるようなピアノとシンセサイザーの旋律による奇妙なイントロがまず印象的。
イントロ後は、決して派手ではないが非常に哀愁漂うピアノのメロディが展開し、徐々に曲は緊張感を帯びていきます。

こうもシリアスで歌心溢れる演奏はそうそうありません。

続く⑤「Desert On The Moon」でも上原ひろみの緊張感は持続します。この曲も思わず真顔で聴き入ってしまうシリアスな曲。
シリアスといってもフリージャズのような混沌とした感じでなく、むしろメロディは非常にとっつきやすい。
こういう緊張感と歌心溢れる演奏は上原ひろみの真骨頂ですね。
ベースには後にトリオ・プロジェクトを組むことになるアンソニー・ジャクソンがゲスト参加しています。

続く⑥「Green Tea Farm」でやっと一息。唱歌のようなピアノ・ソロ。「Place To Be」で、矢野顕子が歌詞をつけて歌っています(作詞は上原ひろみ)。確か矢野さんが歌う前提で作ったみたいなことを言っていたような。

総じて、シリアスなアルバム。上原ひろみのピアノを存分に堪能したい方には是非ともオススメの素晴らしい作品です。
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