A Momentary Lapse of Reason(鬱)

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1987年に発表されたピンク・フロイドの11作目。
前作「ファイナルカット」をもってフロイドは解散しましたが、それに反してギルモアはウォーターズ抜きで再結成しようと試みます。
その時にやはり色々とトラブルがあり、「ピンク・フロイド」の名義仕様に関してフロイドを解散させたウォーターズとギルモアとの間で裁判にまでなったそうです。
こういった経緯を踏まえると、本作はピンク・フロイドというバンドにおいても重要な作品ではないでしょうか。

内容は、やはりギルモアのギターとボーカルが前面に押し出された作品となっています。
ギルモアが中心になると、従来のサイケ色やプログレ色が薄れて非常に聴きやすくなるんですよね。「原子心母」のようないかにもなプログレを期待すると裏切られますが、プログレというジャンルを意識しすぎずに聴ければ非常に心地良い作品だということがわかってもらえると思います。

メンバーはギルモアとメイスンで、リック・ライトはゲスト扱いとなっています。その他、クリムゾンのトニー・レヴィン、ヴァニラ・ファッジやBBAで活躍のドラマーであるカーマイン・アピスなど多数のミュージシャンが参加しています。
また、④「One Slip」ではソロ作「On an Island」でもお世話になるフィル・マンザネラが曲作りに携わっています。

ヒプノシスによる、海岸に800台の病院のベッドを並べたジャケットも印象的です。
撮影間際に雨が降ってきて慌てて回収したなんていうエピソードもありますね。

続く「Division Bell(対)」やギルモアのソロ作が好きな方にはおすすめできる良作だと思います。
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