Atom Heart Mother (原子心母)

AtomHeartMother.jpg(30123 byte)
"ピンク・フロイドの覚醒"

本作は言わずと知れた、ピンク・フロイドの大傑作。
後の「 おせっかい 」や「 狂気 」、「 」といった大傑作を次々と打ち出す基礎を築いたアルバムが、この原子心母。
原子心母以前の、シド・バレット由来のサイケデリック音楽から、巧みな編成とコーラスワークにより、異次元の空間を漂っているような感覚を表現するピンク・フロイド独自の音楽へと進化を果たしています。まさに、 シド・バレットというカリスマから脱却し、真のピンク・フロイドが生まれた 、そういった重要な作品であると感じています。

その進化を感じさせるのが、①「Atom Heart Mother」。20分を超す大曲です。"何か"の始まりを告げているような厳かなホーンの音と、自動車のエンジン音と共にスタート。まずは、得体の知れない、何か巨大な物体が一歩一歩着実に歩を進めるようなパート。ここは ニック・メイスンのドラム、特にタムワークが素晴らしい 。彼のドラムはあまり評価されることはないですが、このパートでのどっしりとしたリズムと、2小節の最後に2拍ずつ繰り返されるタムが感じさせる重さと厳かさは聴き応えあります。

次のパートでは、ピンク・フロイド独特の音色の根幹を担うリック・ライトのキーボードが活躍。この不思議なふわりとした感覚はなんなんでしょうか。 こんな音色、ライトにしか出せません 。キース・エマーソンやリック・ウェイクマン、チック・コリアであろうと無理です(上手い下手を言っている訳ではありません)。女性コーラスとの絡み合いも抜群。

中盤は、ギルモアの高音域を駆使したギターが炸裂。ロジャー・ウォーターズのベースとの絡みもばっちり。この二人は、音楽性は合わなかったかもしれないけど、演奏は最高のコンビなんだよなぁ。
そして民族的なコーラスが押し寄せ、またはじめのパートに戻り、結末を迎えます。

「Atom Heart Mother」がこのアルバムでの主役なので長々と書きましたが、③「Summer'68」も良作です。

ロックを語る上で外せない一枚。必聴。





<<戻る