For girls who grow plump in the night (夜ごと太る女のために)

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3作目「グレイとピンクの地」と並んで、キャラバンの名作とされる本作。
2ndや3rdと比べると、かなり垢抜けて洗練された感じがします。結構、 ポップス的な軽くて明るい、しかし聴き応えのあるキャラバンの"味"に磨きがかかっています。

①「Memory Lain, Hugh/Headloss」なんかがその典型。初期のサイケ調な陰鬱さは消え、躍動感と明快さが感じられる良曲に仕上がっております。
④「C'thlu Thlu」は一転して、サイケ調が回帰したような曲。ですが、サイケはあくまでも"調味料"として使用されているのみで、基本にはやはりジャズ、ポップスを強く意識した曲調が感じられます。後半のヘヴィーなメロディは癖になります。どうでもいい話ですが、僕のiPodはランダム再生するとこの曲の出現率が異常に高い。
重い曲の後の、⑤「Dog, The Dog, He's At It Again」の優しいメロディは心に沁みます。パイ・ヘイスティングスはボーカルも良いなぁ。

そしてクライマックスは⑦「L'Auberge Du Sanglier」。キャラバンお馴染み、10分前後の大曲です。
序盤の朝焼けを感じさせるゆっくりとしたアコギ主体のメロディから、爆発音と共に、跳ねるようなリズムと緊張感のある演奏に展開。 勢いと洗練さを兼ね備えた名演。怒涛の迫力です。 後半は一転、テンポダウンし、収束。
このポップス的な色合いが最高の形に昇華したのが次々作「 ロッキン・コンチェルト 」であることを考えれば、その生みの親とも言うべき作品でしょうか。 一聴に値します。



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