Waterloo lily (ウォータールー・リリー)

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キャラバンの中でも影が薄い印象を受けるこの作品。それは、前作「グレイとピンクの地」が人気だったためでしょうか。

しかしこの作品には、めちゃくちゃかっこ良く、完成度が高く、そして美しい、 ジャズロックの隠れた名曲 があります。
それは⑤「THE LOVE IN YOUR EYE」。12分程の大作です。この曲からは とてもつもなく洗練された美しを を感じます。
その要因の1つは、中間部分の美しいストリングスの後に奏でられるジミー・ヘイスティングスのフルート。 ジェスロ・タル のイアン・アンダーソンのフルートが「剛」だとすれば、ジミーのフルートは「柔」。アンダーソンのような豪快さや狂気さはないものの、淡々と美しいメロディを吹く。そんな感じです。彼はバンドの中核的メンバーであるパイ・ヘイスティングスのお兄ちゃんらしいです。カンタベリー系の渡り鳥的存在で、キャラバンの他に ソフト・マシーン 、ナショナル・ヘルス、ハットフィールドアンドザノース等に参加しています。

もう1つの魅力は後半部分のパイ・ヘイスティングのギターを中心としたジャジーなパート。リチャード・コフラン、リチャード・シンクレアの軽やかなリズム隊の上でギターは自由に乱舞。 この軽やかさと美しさはキャラバンの真骨頂。

キャラバンは僕の最もお気に入りのバンドなので、当然このアルバムも躊躇せず買ったのですが、初めて聴いたときは正直がっかりした。まぁハズレかなと。
しかし別の日、なんとなくもう1度聴いてみると、「おっ」となるフレーズやメロディがちらほら。そしてもう1度聴いてみると。。

めっちゃ格好良かったです。その後、エンドレスに聴き続け、今ではお気に入りの一品となっています。いやー、1度で見限らなくてよかった。

結構書きましたが、 3度は聴いてみるべき名盤です!
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